「セイロンベンケイソウ」を科学する
ご無沙汰しております。お盆は遊びまわってしまい更新が遅れました。。。
今日は「セイロンベンケイソウ」という多肉植物をご紹介します。
目次
概略
和名:セイロンベンケイソウ、ハカラメ、マザーリーフ、灯籠草(トウロウソウ)
学名:Kalanchoe pinnata Pers
葉っぱごと土にうめたり、葉っぱを切り離して置いておくと、葉っぱの縁から芽が出てくることが特徴の一つです。日本では沖縄や小笠原諸島に帰化(外国の動植物が他の国に来ること)しています。道ばたなど日当たりの良い場所を好み、ときには隆起珊瑚礁の岩の上などにも出現しているようです。
ネットで「セイロンベンケイソウ」を画像検索すると「コダカラベンケイソウ」が出てくることがありますが、今回は「コダカラベンケイソウ」ではなく「セイロンベンケイソウ」です。
Instagram post by Kazuya Akita • Sep 20, 2017 at 5:45am UTC
コダカラベンケイソウも葉っぱから不定芽が出てきますが、まったくの別種です。
実はセイロンベンケイソウの葉は様々な効果があることわかっています。
(というか、調べてわかりました。。。)
育て方・管理方法
追記:出典は「みんなの趣味の園芸 NHK」です。リンクはこの項の最後にあります。
栽培環境・日当たり・置き場
1年を通して日なたに置きましょう。11月から5月は、室内の日当たりのよい場所で管理します。秋になり、日が短くなると花芽をつける性質があるので、秋以降に夜間照明がある場所に置いておくと花が咲かないことがあります。また、11月下旬までは、霜を避けられる戸外の軒下などで管理することで、花芽がつきやすくなります。
水やり
12月から4月の間は、乾かし気味に管理します。5月から11月の間は、土の表面が乾いたらたっぷり水を与えます。乾燥には非常に強い植物ですが過湿には弱いので、水やりしようか迷ったら、与えないで乾かし気味にするほうがよいでしょう。
肥料
5月から9月には、緩効性化成肥料を定期的に施します。さらに、10月から11月の間は、液体肥料も施しましょう。
病気と害虫
病気:灰色かび病
11月から5月の間、低温多湿の環境下で発生します。冬の無加温フレームの中が、低温多湿になりやすく危険なので換気に努めましょう。
害虫:アブラムシ、カイガラムシ
1年を通して、アブラムシが、特に新芽と蕾に多く発生します。
3月から11月の間は、風通しが悪いとカイガラムシが発生します。発生初期にこすり落とすとよいでしょう。放置すると他の植物にも蔓延しますので、浸透移行性の薬剤を使用するとよいです。
用土(鉢植え)
水はけのよい土が適します。例えば、赤玉土小粒5、腐葉土3、軽石小粒2の配合土を使い、リン酸分の多い緩効性化成肥料(チッ素N-リン酸P-カリK=6-40-6)を用土1リットル当たり5g施したものを利用します。市販の多肉植物培養土でもよいでしょう。
植えつけ、 植え替え
5月から6月と、9月が植えつけ、植え替えの適期です。植え替えは、2~3年に1回行いましょう。根鉢をくずし、古い土と根を半分程度落として、深めに植えつけます。
ふやし方
葉ざし:4月から7月と9月が適期です。葉を切り取って土の上に放置しておくだけで、葉の縁に子株ができるので、それを切り離し、親株と同じ用土で植えつければ簡単にふやせます。子株は、地面や机の上などに葉を放置しておいてもよく発生します。
さし芽:4月から7月と9月が適期です。茎を2~3節に切り取って、用土にさすのも簡単です。同じブリオフィルム節の植物でも冬に鉢花として売られている‘テッサ’ ‘ウェンディ’ ‘エンゼルランプ’などは、葉に子株を生じないので、必ずさし芽をしてふやします。
主な作業
花がら摘み:開花中の1月から4月は、終わった花をこまめに摘み取りましょう。
切り戻し:大株になると、冬から春にかけて花を咲かせます。花をつけた株は200cm近くにもなり、花が終わった花茎は枯れて見苦しくなるので、花が終わる5月から6月の間に、草丈30cm程度まで切り戻しましょう。
https://www.shuminoengei.jp/m-pc/a-page_p_detail/target_plant_code-694/target_tab-2
肝機能保全
インドで2003年に行われた研究によると、ラットを使った実験で、肝臓の機能保全に効果的であることがわかったそうです。
インド中央部のブンデールカンドに伝わる民間療法で黄疸に効くことがわかっていたそうです(肝臓の病気にかかると黄疸になるそうです)。どういう機作で肝臓に効果があるか存じ上げませんが、薬用効果があることは確かだと言えそうです。
病気に効く
2006年にブラジルの大学で行われた研究によると
セイロンベンケイソウのに含まれるポリフェノールの一種であるフラボノイド(クェルセチン)が、リーシュマニア症という病気に効果があることが示唆されている。
ちなみに、リーシュマニア は、トリパノソーマ科に属する原生生物で、脊椎動物の細胞内に寄生してリーシュマニア症を引き起こす病気だそうです。リーシュマニア症は、サシチョウバエにより媒介される寄生虫疾患だそうです。 皮膚リーシュマニア症、内臓リーシュマニア症、粘膜皮膚リーシュマニア症の3つの病型があります。 リーシュマニア症は、熱帯雨林~乾燥地帯の田舎で多く、都市部で少ない傾向にあります。
もし感染してしまうと蚊にさされたようなあとができて、皮膚の表面にえぐれたようなあとができるそうです。怖いですね・・・
しかし、幸いなことにほっといても治るそうです。
抗がん作用
さらに、大阪府立大学の研究チームが2000年に行った研究によると
セイロンベンケイソウの葉から単離された物質に抗がん作用があることが明らかにされています。つまり、「セイロンベンケイソウ」は
=「体内の酸化を防ぐ能力が高い」
と言い換えることができると思います。
セイロンベンケイソウのまとめ
・日本に帰化している
・管理が楽
・肝臓の病気に効く
・抗酸化物質を多く含む
セイロンベンケイソウは体にいいそうですが、どうやって食べるんでしょうか?というか、食べたいと思ったことがないんですが…
食べたことがある方はご感想お待ちしております。