植物を科学する

植物に関する科学的な知見の解説および論文紹介

「胡蝶の舞」を科学する

残暑お見舞い申し上げます。

 

最近、ネットで多肉植物を調べるようになってから、ネット上に嘘ばかり書かれていることに辟易してます。やれやれだぜ(空条承太郎風に)。と、自警の念を唱えながら、今日もブログを更新します。

 

さて、今日は「胡蝶の舞」です。

  

https://www.instagram.com/p/B1yFEslFMu1/

 

 

 

概要

学名:Kalanchoe laxiflora

和名:胡蝶の舞

原産:アフリカのマダガスカル

雑学:

・市場には斑なしと斑入りが出回っている。ちなみに私が100均で買ったものは斑なしです。

・「セイロンベンケイソウ」とカランコエ属の雑種であるようです。画像検索すると不定芽が出ている画像が散見され、「???(´・ω・`)」って感じでした。セイロンベンケイソウは不定芽(葉っぱから葉っぱが出る芽)が生じるので、胡蝶の舞はセイロンベンケイソウの遺伝子を受け継いでるのだとわかりました。

・カランコエ

・カランコエ属間の交雑について

 

https://www.instagram.com/p/Byc4ik3FN-B/

100均で購入直後のもの

 

 窒素の利用

 グーグルスカラーの1ページ目まで読み進めても、品種改良関連のものばかりでこのくらいかな?っと思い始めた矢先、なんと、胡蝶の舞は硝酸態窒素とアンモニア態窒素の両方の窒素を利用できるそうです。一般的にアンモニア態窒素そのものに毒性があるため、過剰使用は植物の生育を阻害してしまいます。しかし胡蝶の舞はアンモニア態窒素を肥料として使っても問題ないと言えます。アンモニア態窒素をわざわざ多肉植物に使う人はいないとおもいますが・・・

 

Maftoun,M, Rouhani,I, Bassiri, A. 1980. Effect of nitrate and ammonium nitrogen on the growth and mineral composition of crassulacean acid metabolism plants. Journal of the American Society for Horticultural Science Vol.105 No.3 pp.460-464 ref.32

 

 その他

原産地であるマダガスカルでは、抗マラリアの物質を含んでいある可能性もあるそうです。(アブストまでしか読めないので、はっきりとしたことはわかりません。)

・マラリアに効く?