植物を科学する

植物に関する科学的な知見の解説および論文紹介

「朧月(オボロヅキ)」を科学する

今回は「朧月(オボロヅキ)」を科学します。

 

論文で全く知らない分野にぶち当たると心が折れそうになります。でも最近、多少、アクセスが増えつつあるので、頑張ります。。。(´・ω・`)=3

 

 

 

概要 

和名:朧月(オボロヅキ)

学名:Graptopetalum paraguayense

原産:メキシコ

 

最近では、グラパラリーフという名前で食用としても売られているようです。

・https://greensnap.jp/article/185

NHK趣味のガーデニング21 多肉植物 ユニークな形と色を楽しむ 

 

ちなみにブロンズ姫は朧月の園芸品種だそうです。

https://www.instagram.com/p/BzNe8e3Fhts/

 

左のちっこいのがブロンズ姫

 

ストレス耐性

食物化学の雑誌に掲載された2004年に中国の研究機関が行った研究によると

抗酸化酵素の研究もなされているようです。

・Studies on the antioxidative activity of Graptopetalum paraguayense E. Walther

 

植物生理学の実験材料

細胞壁の構造に関与する材料の研究(ミクロフィブリルなど)やCAM植物の乾燥耐性に関与する生理学的研究(液胞膜に存在する水の輸送に関わるタンパク質)などの実験材料として使われているそうです。

 材料にした背景は書かれていませんでしたが、恐らく、増やすのが簡単(葉挿しが楽)なCAM植物だからだと思います。

 ・Reorganization of cortical microtubules and cellulose deposition during leaf formation in Graptopetalum paraguayense 

・水輸送に関わるタンパク質の研究

 

食材:野菜

なんと、朧月は食材としても利用されているようです。中国の大学の研究によると、血糖値を下げる効果や、肝臓の不調改善、利尿作用、抗酸化作用があることが明らかにされています。なので、アンチエイジングも期待できそうです。

・Antioxidant properties of Lactobacillus-fermented and non-fermented Graptopetalum paraguayense E. Walther at different stages of maturity