植物を科学する

植物に関する科学的な知見の解説および論文紹介

多肉植物の紅葉を科学する-1

私は11月に入り、衣替えおよび、カーペットの準備を済ませました。

 

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カーペットを出しました。

 

皆さまの多肉植物も紅をさし始めてくるころだと思います。

そこで、今回は多肉植物の紅葉について、科学します。

 

やはり、多肉植物の紅葉について調べた論文はありませんでした。

なので、科学研究を進める手法としてよくやるのが、

類似の現象がないか?

を調べます。

 

手始めに、多肉植物以外の紅葉について調べることにします。 

  

葉の老化

葉が老化すると起きること

葉が老化して光合成効率が低下

再転流※1後の脱落

 

葉の老化の類似現象

・動物のアポトーシス※2

PDC(proglammed cell death)※3

・オーソログ※4

と似ているが、現象が起きる過程は全くちがう。

 

2003年までの10年間において、葉の老化はシロイヌナズナ(モデル植物:雑草)や一年生の植物で調査され、老化の遺伝子や老化細胞のメカニズム解明が主であった。

 

葉の老化した結果、起きている生理現象

クロロフィルの分解またはアントシアニンの集積  

 

今回は紅葉でググった結果、一番最初にヒットした文献のイントロダクション部分を引用しました。 

 

引用文献

Rupali Bhalerao, Johanna Keskitalo, Fredrik Sterky, Rikard Erlandsson, Harry Bjorkbacka,Simon Jonsson Birve, Jan Karlsson, Per Gardestro¨m, Petter Gustafsson, Joakim Lundeberg, and Stefan Jansson (2002) Gene Expression in Autumn Leaves, Plant Physiology, Vol. 131, pp. 430–442

 

 用語解説

※1 再転流

植物体において光合成産物や栄養塩類などがある器官・組織から他の器官・組織に輸送されることを転流という。再転流はある器官が不要になった際、光合成産物や栄養塩類などが他の組織へ移動して、再利用されること。

参考:光合成辞典(http://photosyn.jp/pwiki/index.php?%E8%BB%A2%E6%B5%81) 一部改変

 

※2 アポトーシス

アポトーシス (apoptosis) とは、多細胞生物の体を構成する細胞の死に方の一種で、個体をより良い状態に保つために積極的に引き起こされる、管理・調節された細胞の自殺すなわちプログラムされた細胞死。

引用: Wikipedia

 

※3 PCD(Programmed cell death)

プログラム細胞死(プログラムさいぼうし、英: Programmed cell death, PCD)は多細胞生物における不要な細胞の計画的(予定・プログラムされた)自殺である。組織傷害などで細胞死を起こす壊死と異なり、一般にはPCDは生物の生命に利益をもたらす調節されたプロセスである。

引用: Wikipedia

 

※4 オーソログ

生物に存在する相同な機能を持った遺伝子群。種分化の過程で生じたものである。

引用: Wikipedia

 

※5 ゲロントプラスト(gerontoplast)

ゲロントプラストは、老化した後のかつて緑色だった葉で見られる色素体である(老化葉緑体)。ゲロントプラストは、葉緑体が成長、老化の過程で再利用されたものである。

引用: Wikipedia、参考:植物生理学会ーみんなのひろば