多肉植物の紅葉を科学する-2
前回に引き続き、今回も多肉植物の紅葉を深堀していきます。
↑ 写真を使いまわしのニジノタマ
前回 ↓
そもそもなぜ緑に見える?
そもそも葉っぱが緑に見えるのは葉緑体のチラコイド膜に存在しているクロロフィルという色素が可視光の495~570nmの波長を反射しているので、緑に見えます。この緑に反射させている色素がなくなり、残っている黄色の色素(カロテノイド)や赤の色素(アントシアニン)が反射して、黄色や赤に見えるようです。
参考文献
https://www.geolab.jp/science/2002/11/science-005.php
ここからは私の仮説
多肉植物の紅葉を研究した論文が見つかりませんでした。。。orz
一般的な葉の紅葉は「葉緑体にあるクロロフィルが分解されて、紅葉する」で説明がつくようですが、多肉植物の紅葉は赤くなったあと気温が上がれば、緑にもどる現象がおきます。
なので、季節性の紅葉とは仕組がことなる。 と考えました。
また、多肉質の葉の中は何色なのか、という疑問が浮かびました。
研究の最も大事なことの1つ:観察する
という原点に立ち返り、紅葉した多肉植物の葉を切ってることにしました。
多肉断面図
左:胡蝶の舞、右上:ルビーネックレス、右下:ニジノタマ
写真を見てわかるように、外はカリッっと、中はもちもち
外は赤紫色、中は緑のままでした。
仮説
赤紫に見えるアントシアニンという色素は抗酸化物質としてはたらくことが知られています。低温ストレスでアントシアニンを集積が起こり、低温から身を守ることができる。と考えました。
低温で凍ってしまう多肉植物は冬でも緑のままである傾向が強いように思えます。
この紅葉メカニズムの仮説を立証するには
・赤紫色になる多肉とならない多肉のアントシアニン濃度の測定
が必要でしょう。
結局、確かなことはわかりませんでした。
参考文献
Paolo Rapisarda et al ., Effect of cold storage on vitamin C, phenolics and antioxidant activity of five orange genotypes [Citrus sinensis (L.) Osbeck]. Postharvest Biology and Technology 49 (2008) 348–354
P.S. ようやくアップできました(;'∀')