植物を科学する

植物に関する科学的な知見の解説および論文紹介

植物が人に与える影響を科学する

最近はよく歩きスマホドラクエウォークをやっています。

以前は、込み合う駅構内で、歩き読書をやっていました。

ちょっと前は、歩きDSでティガレックスを狩ってました。

昔から人込みを避けながら歩くのが得意だったので、スマホゲームは楽しいです(^^)/

Don't think, Feel

で、ゲームは何とかなることが多いですが、科学はそうもいきません。

科学は

Don't feel, Think!

で、いきます。

 

前置きが長くなりましたが、今回は植物が人に与える影響を定量化した論文の紹介です。

"Feel" を "Think" します。

 

 

【バラと観葉植物が人に与える影響】

 

実験概要

男子学生12人を一人ずつ

バラの花22本、観葉植物(ドラセナ:3鉢、カポック:3鉢)などが置いてあり、バラの香りを模したエッセンシャルオイル(ローズウッド)を気化させた、部屋に入ってもらい、α波とβ波を測定した。

 

ちなみに、

α波:心身ともに落ち着いた状態

β波:興奮・緊張状態

だそうです。

 

評価条件

条件1:ドラセナ3鉢+香りなし

条件2:ドラセナ3鉢+バラ22本+香りなし

条件3:ドラセナ3鉢+香りあり

条件4:ドラセナ3鉢+バラ22本+香りあり

条件5:ドラセナ3鉢+バラ22本+香りあり+カポック3鉢

結果・考察

バラ(花)と香りの影響

→観葉植物のみの場合と比べα波が30%多くなった。

香りは鼻の粘膜細胞に直接作用するため、生理的な反応が起きやす

と結論付けています。

 

観葉植物のみの影響

→バラ(花)と香りの影響に比べ、α波はそんなに多くなかった。

 

そもそも、α波というのが、個人によってばらつきが大きそうなので、絶対的な尺度で評価できないようです。

 

なので、「OOより大きい」、「OOより小さい」という相対的な評価にならざるを得ないようです。

結論

エッセンシャルオイルだけでもいいんじゃない?

 

「ドラセナ3鉢」の条件と比べ

「ドラセナ3鉢+バラの香り」の条件は26%もα波が多く出ていた

 

バラは高いですし、オイルだけでもいいと思います。

 

 

 

引用文献

Hiroshige Nishina and Yumi Nakamoto, OTOANALYSIS OF AMENITY EFFECT OF PLANTS AND FRAGRANCE ON HUMAN PHYSIOLOGY AND PSYCHOLOGY BY MEANS OF BRAIN WAVES AND SEMANTIC DIFFERENTIAL TECHNIQ, J.Archit. P;ann. Environ. Eng., AIL, No. 509, 71-75, Jul. 1998

 

余談

私は大学院時代、この論文の著者の授業を受けていたんですが、非常にわかりやすくご指南いただけました。ありがとうございました。