植物を科学する

植物に関する科学的な知見の解説および論文紹介

多肉植物は真夜中でも光合成する③

C3やC4型の光合成は日中に葉の裏側についている、「気孔」という、閉じたり、開いたりできる穴からCO2を取り込み、不要になった酸素を放出します。光合成の過程でCO2をデンプンに変えるため水が必要になります。

 

 

C3やC4ってなに?という方は過去記事をご参照ください↓

 

botanist123.hatenablog.com

 

 

水が十分ある地域で光合成を行う場合は問題ないのですが、日中にとても乾燥して、水が少ない地域だとそのように光合成をしているとすぐに水が不足して、しおれてしまいます。

 

そのような乾燥した地域が原産国として多い、多肉植物は、光合成の仕組みそのものを変えて、空気中のCO2を取り込んでいます。

 

多肉植物が行うCAM型光合成

 

日中にCO2を体内に取り込まず、夜間に気孔を開いてCO2を取り込みます。

 

夜間に取りこまれたCO2をデンプンに変換する過程でリンゴ酸という酸に変換します。

 

そのため、夜明けから朝方にかけて多肉植物は酸っぱくなります。興味がある方は多肉の葉っぱをかじってみてください。(※カランコエ属は毒性があるので、絶対に食べないでください)

 

夜間に蓄えたリンゴ酸をさらに変換して、日中にデンプンを作っています。

 

ゆえに多肉植物は真夜中でも光合成の一部を行っているのです。

 

 

 

もっと光合成について知りたい方は専門書をご参照ください。

 光合成で1冊の本が書けるほど、奥が深いです。

光合成とはなにか―生命システムを支える力 (ブルーバックス)

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