多肉植物の種類 カランコエ属
今回はカランコエ属についてご紹介します。
代表的なカランコエ属の育てについて記載しておきます。
写真はこのブログでなんども紹介している「セイロンベンケイソウ」です。
栽培環境は西日本の平地を想定。
水やりはセイロンベンケイソウに準じております。
※他のカランコエ属では異なる場合があります。
栽培難易度:★★☆☆☆
水やり:梅雨明け~9月上旬;週2回、(大きく育てたい場合:2日に一回)
9月上旬~12月;週1回
12月~3月;屋内管理(低温により、葉が凍る可能性があるため)
3月~梅雨;;週1回
花冠:釣り鐘型
花季:2~3月
ホームセンターや100均などで買える品種
・ミロッティ
・月兎耳(ツキトジ)
・福兎耳(ツキトジ)
・不死鳥錦(フシチョウニシキ)
・胡蝶の舞
など
育て方以外の豆知識や科学的な知見は過去ブログをご参照ください。
引用:当人の栽培記録に基づく
多肉植物の種類 エケベリア属
今回は多肉植物の種類についてです。
というのも、多肉植物の知名度がまだまだ低く、知らない方が多いので、まとめようと思いました。
以下は私のよくある会話ルーティンです。
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初対面の人:「趣味はなんですか?」
私:「筋トレ、植物の世話、DIYです。」
初対面の人:「どんな植物の世話をしているんですか?」
私:「多肉植物です!」
初対面の人:「え?多肉植物ってなんですか?」
私:「葉っぱが分厚くて、サボテンみたいなやつですね」
初対面の人:「あ、あぁ(震え声)・・あれですね!」
私:「それです!(あぁ、この人わかってないなぁ・・)」
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という感じでざっくりとした説明をしてます。
多肉植物をご存知の方は約50%くらいなので、まだまだ認知度が低いんだなって思います。
園芸辞典をみても多肉植物の定義があってないようなものです。
というわけで、初心者向けに代表的な多肉植物をまとめておきます。
厳密な分類学の説明はここでは省きますが
OO科OO属
と記載がある場合、「科(family)」が大きいくくり、「属(genera)」が小さいくくり
と、考えてもらえればわかると思います。
身近な野菜を例にすると
「ナス科ナス属」みたいな感じでご紹介していきます。
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ベンケイソウ科エケベリア属
バラの花のような形で育つのがエケベリア属の特徴です。
写真は「ピーチプリデ」という品種です。
下記の生育指標は「ピーチプリデ」の場合です。耐寒性・耐乾性は品種によって弱かったり強かったりするものが多いです。
育成データは西日本の平地を想定。
生育旺盛時期:春~夏
耐寒性 :★★★☆☆
耐乾性 :★★★☆☆
水やり頻度 :春~梅雨 ; 週1回
梅雨明け後; 週2回
お盆明け~11月;週1回
11月~春 ;週0.5回
※水やりは水はけがいい土で、鉢底から水が出てくるまでしっかりと与えた場合の頻度です。
「金のなる木(カゲツ)」を科学する
夏も終わりすっかり、秋模様になってまいりました。
年2回あるといわれる多肉植物の植え替えシーズンに入りました(勝手にそう思っているだけ)。
今回は「金の生る木(カゲツ)」についてです。
金の生る木は私にとって思い入れのある植物の1つなのでしっかり語ります!
概要
和名:金のなる木は
園芸名:カゲツ、フチベニベンケイ、成金草
英名:dollar plant, jade plant, lucky plant, money plant or money tree
学名:Crassula portulacea(ovata)
「金のなる木」は一般の方にも名が知れているようで、ネットで検索すると大量にヒットします。英名や和名、園芸名など様々呼ばれ方をされています。
特に面白かったのが、「金のなる木 学名」で検索すると一番最初に来るWikipediaの
カネノナルキ(金のなる木、学名: Crassula ovata)は、ベンケイソウ科クラッスラ属の多肉植物。正式には、クラッスラ・ポルツラケア(英:Crassula portulacea)といい・・
どっちやねん!学名に正式も通称もないだろ!?
という感じで情報が散乱しているようです。
呼称が多いのですが、本ブログでは以下「金のなる木」と表記させていただきます。
栽培について
英語版のWikipediaがわりと詳しく書いてあったので、経験談などで書かれているブログなどより有益な情報が記載されています。そちらをご参照ください。
・https://en.wikipedia.org/wiki/Crassula_ovata
乾燥耐性
半乾燥地域が原産の金の生る木は
他の種に比べて、葉の表面に水を排出する穴が多く、葉の水分量が多かった。
つまり生育条件が良いと生長が旺盛になり、より乾燥に強いと考えられます。
「コダカラベンケイソウ」科学する
今回は「コダカラベンケイソウ」を科学します。
コダカラベンケイソウ
概要
日本のサイトを見ているとどれも学名がバラバラだったのですが学名は
Kalanchoe daigremontiana
であるようです。
ちなみに交配種である
’不死鳥錦’は
K. daigremontiana × butiflora
です。
学名:Kalanchoe daigremontiana
和名:子宝弁慶草、シコロベンケイ
英名:
(Kalanchoe crenataは誤り)
原産:マダガスカル
最適育成温度
1981年にオーストラリアとベネズエラの大学が共同で行った研究によると
最高気温:25℃
最低気温:15℃
で育てた場合、茎の本数、葉の数、根の量が最も多かったそうです。でも実際は、夏場に肥料と水をガンガン与えると、ガンガン育つような印象があります。
Temperature Dependence of Dark C02 Fixation and Acid Accumulation in Kalanchoe daigremontiana, E. Medina and C. Barry Osmond (1981), Aust. J. Plant Physiol 641-9
育て方・管理方法
たいていの多肉植物は以下の管理方法で間に合うと思うで、参考程度に記録しておきます。
置き場所:できれば日当たりのある場所
栽培環境:風とおしの良い場所。
夏場 36℃以上の真夏日でも問題なく生育可。
冬場 低温で葉が凍ることがあるので、氷点下を切る場合は屋内管理。
水やり :夏場 多すぎると巨大化するので、注意。
冬場 週1~2回程度
肥料 :緩効性(効き目が遅い)IB肥料など。多すぎると巨大化するので注意
土 :市販の培養土で可。ホームセンターなどで最も安く売られている、
「野菜を育てる土」みたいなもので十分
増やし方:葉っぱから出てくる「芽(不定芽)」を土に置くだけ。
水をあげる量を減らすと芽が多くでます。
備考 :不定芽だけの状態でもなかなか枯れないので、
かなりズボラな方でも枯れないと思います。
「胡蝶の舞」を科学する
残暑お見舞い申し上げます。
最近、ネットで多肉植物を調べるようになってから、ネット上に嘘ばかり書かれていることに辟易してます。やれやれだぜ(空条承太郎風に)。と、自警の念を唱えながら、今日もブログを更新します。
さて、今日は「胡蝶の舞」です。
概要
学名:Kalanchoe laxiflora
和名:胡蝶の舞
原産:アフリカのマダガスカル
雑学:
・市場には斑なしと斑入りが出回っている。ちなみに私が100均で買ったものは斑なしです。
・「セイロンベンケイソウ」とカランコエ属の雑種であるようです。画像検索すると不定芽が出ている画像が散見され、「???(´・ω・`)」って感じでした。セイロンベンケイソウは不定芽(葉っぱから葉っぱが出る芽)が生じるので、胡蝶の舞はセイロンベンケイソウの遺伝子を受け継いでるのだとわかりました。
100均で購入直後のもの
窒素の利用
グーグルスカラーの1ページ目まで読み進めても、品種改良関連のものばかりでこのくらいかな?っと思い始めた矢先、なんと、胡蝶の舞は硝酸態窒素とアンモニア態窒素の両方の窒素を利用できるそうです。一般的にアンモニア態窒素そのものに毒性があるため、過剰使用は植物の生育を阻害してしまいます。しかし胡蝶の舞はアンモニア態窒素を肥料として使っても問題ないと言えます。アンモニア態窒素をわざわざ多肉植物に使う人はいないとおもいますが・・・
Maftoun,M, Rouhani,I, Bassiri, A. 1980. Effect of nitrate and ammonium nitrogen on the growth and mineral composition of crassulacean acid metabolism plants. Journal of the American Society for Horticultural Science Vol.105 No.3 pp.460-464 ref.32
その他
原産地であるマダガスカルでは、抗マラリアの物質を含んでいある可能性もあるそうです。(アブストまでしか読めないので、はっきりとしたことはわかりません。)
番外編 youtube + 最近植え替えた多肉植物の写真
初めに行っておきますが、
今日は科学とは全く関係ない話です。
興味のないかたはブラウザバックでお願いします。
Youtube始めました
「知り合いから人となりが分かった方が親近感がある」
と言われたので、最近、始めたyoutubeで親近感を感じてほしいです(笑)
どんな人が書いてるの?
と疑問に思った方はみていってください。
https://www.youtube.com/channel/UCYnSvB5VIqiHv62M8VaKxbA
多肉植物のリメイク缶
多肉植物のリメイク缶(通称:リメ缶)を動画で、顔出しで(笑)やっている人がいなかったので、作ってみました。
https://www.youtube.com/watch?v=C5MNjOpFMd8&t=300s
植えた虹の玉
8月に植え替えた、虹の玉をご覧ください。
「セイロンベンケイソウ」を科学する
ご無沙汰しております。お盆は遊びまわってしまい更新が遅れました。。。
今日は「セイロンベンケイソウ」という多肉植物をご紹介します。
目次
概略
和名:セイロンベンケイソウ、ハカラメ、マザーリーフ、灯籠草(トウロウソウ)
学名:Kalanchoe pinnata Pers
葉っぱごと土にうめたり、葉っぱを切り離して置いておくと、葉っぱの縁から芽が出てくることが特徴の一つです。日本では沖縄や小笠原諸島に帰化(外国の動植物が他の国に来ること)しています。道ばたなど日当たりの良い場所を好み、ときには隆起珊瑚礁の岩の上などにも出現しているようです。
ネットで「セイロンベンケイソウ」を画像検索すると「コダカラベンケイソウ」が出てくることがありますが、今回は「コダカラベンケイソウ」ではなく「セイロンベンケイソウ」です。
Instagram post by Kazuya Akita • Sep 20, 2017 at 5:45am UTC
コダカラベンケイソウも葉っぱから不定芽が出てきますが、まったくの別種です。
実はセイロンベンケイソウの葉は様々な効果があることわかっています。
(というか、調べてわかりました。。。)
育て方・管理方法
追記:出典は「みんなの趣味の園芸 NHK」です。リンクはこの項の最後にあります。
栽培環境・日当たり・置き場
1年を通して日なたに置きましょう。11月から5月は、室内の日当たりのよい場所で管理します。秋になり、日が短くなると花芽をつける性質があるので、秋以降に夜間照明がある場所に置いておくと花が咲かないことがあります。また、11月下旬までは、霜を避けられる戸外の軒下などで管理することで、花芽がつきやすくなります。
水やり
12月から4月の間は、乾かし気味に管理します。5月から11月の間は、土の表面が乾いたらたっぷり水を与えます。乾燥には非常に強い植物ですが過湿には弱いので、水やりしようか迷ったら、与えないで乾かし気味にするほうがよいでしょう。
肥料
5月から9月には、緩効性化成肥料を定期的に施します。さらに、10月から11月の間は、液体肥料も施しましょう。
病気と害虫
病気:灰色かび病
11月から5月の間、低温多湿の環境下で発生します。冬の無加温フレームの中が、低温多湿になりやすく危険なので換気に努めましょう。
害虫:アブラムシ、カイガラムシ
1年を通して、アブラムシが、特に新芽と蕾に多く発生します。
3月から11月の間は、風通しが悪いとカイガラムシが発生します。発生初期にこすり落とすとよいでしょう。放置すると他の植物にも蔓延しますので、浸透移行性の薬剤を使用するとよいです。
用土(鉢植え)
水はけのよい土が適します。例えば、赤玉土小粒5、腐葉土3、軽石小粒2の配合土を使い、リン酸分の多い緩効性化成肥料(チッ素N-リン酸P-カリK=6-40-6)を用土1リットル当たり5g施したものを利用します。市販の多肉植物培養土でもよいでしょう。
植えつけ、 植え替え
5月から6月と、9月が植えつけ、植え替えの適期です。植え替えは、2~3年に1回行いましょう。根鉢をくずし、古い土と根を半分程度落として、深めに植えつけます。
ふやし方
葉ざし:4月から7月と9月が適期です。葉を切り取って土の上に放置しておくだけで、葉の縁に子株ができるので、それを切り離し、親株と同じ用土で植えつければ簡単にふやせます。子株は、地面や机の上などに葉を放置しておいてもよく発生します。
さし芽:4月から7月と9月が適期です。茎を2~3節に切り取って、用土にさすのも簡単です。同じブリオフィルム節の植物でも冬に鉢花として売られている‘テッサ’ ‘ウェンディ’ ‘エンゼルランプ’などは、葉に子株を生じないので、必ずさし芽をしてふやします。
主な作業
花がら摘み:開花中の1月から4月は、終わった花をこまめに摘み取りましょう。
切り戻し:大株になると、冬から春にかけて花を咲かせます。花をつけた株は200cm近くにもなり、花が終わった花茎は枯れて見苦しくなるので、花が終わる5月から6月の間に、草丈30cm程度まで切り戻しましょう。
https://www.shuminoengei.jp/m-pc/a-page_p_detail/target_plant_code-694/target_tab-2
肝機能保全
インドで2003年に行われた研究によると、ラットを使った実験で、肝臓の機能保全に効果的であることがわかったそうです。
インド中央部のブンデールカンドに伝わる民間療法で黄疸に効くことがわかっていたそうです(肝臓の病気にかかると黄疸になるそうです)。どういう機作で肝臓に効果があるか存じ上げませんが、薬用効果があることは確かだと言えそうです。
病気に効く
2006年にブラジルの大学で行われた研究によると
セイロンベンケイソウのに含まれるポリフェノールの一種であるフラボノイド(クェルセチン)が、リーシュマニア症という病気に効果があることが示唆されている。
ちなみに、リーシュマニア は、トリパノソーマ科に属する原生生物で、脊椎動物の細胞内に寄生してリーシュマニア症を引き起こす病気だそうです。リーシュマニア症は、サシチョウバエにより媒介される寄生虫疾患だそうです。 皮膚リーシュマニア症、内臓リーシュマニア症、粘膜皮膚リーシュマニア症の3つの病型があります。 リーシュマニア症は、熱帯雨林~乾燥地帯の田舎で多く、都市部で少ない傾向にあります。
もし感染してしまうと蚊にさされたようなあとができて、皮膚の表面にえぐれたようなあとができるそうです。怖いですね・・・
しかし、幸いなことにほっといても治るそうです。
抗がん作用
さらに、大阪府立大学の研究チームが2000年に行った研究によると
セイロンベンケイソウの葉から単離された物質に抗がん作用があることが明らかにされています。つまり、「セイロンベンケイソウ」は
=「体内の酸化を防ぐ能力が高い」
と言い換えることができると思います。
セイロンベンケイソウのまとめ
・日本に帰化している
・管理が楽
・肝臓の病気に効く
・抗酸化物質を多く含む
セイロンベンケイソウは体にいいそうですが、どうやって食べるんでしょうか?というか、食べたいと思ったことがないんですが…
食べたことがある方はご感想お待ちしております。