植物を科学する

植物に関する科学的な知見の解説および論文紹介

セダム(マンネングサ)の増殖時期

セダム関連の研究で最も研究が進んでいるのは 「屋上緑化」のようです。 今回はセダムのマンネングサタイプの挿し木適期についてです。 以下、1999~2000年頃に東京農業大学が行った研究結果のまとめです。 マルバマンネングサ、メキシコマンネング…

多肉植物につく虫

先日、実家に帰ったときに ’ゴーラム (Crassula ovata 'Gollum')’ のカット苗があったので、自宅にもって帰りました。 ’ゴーラム’ ’ゴーラム’ についてなんか面白い論文ないかなと、思い調べていたところ、 多肉植物にのみ居つく虫がいたのでご紹介いたしま…

多肉植物の寄せ植えを科学的に長持ちさせるには?

多肉植物の寄せ植えを育てていると 買った、もしくは作った当初とは違う形になってしまうことがよくあると思います。 ひょろひょろに徒長したり、形が崩れてしまったりすることがありますよね・・・ それを防ぐ土の代わりになるものを見つけたので、ご紹介し…

多肉植物を育てるために「いきなり直射を日光をあてるのがNG」な科学的理由

先日、週2回の更新にしよう! と宣言したので大幅に更新頻度を下げました。 言い忘れておりましたが、読むのが面倒臭い方は太字だけ読めばタイトル回収できるようになっています。 ネタを上手く揃えられ、尚且つ、私の専門知識を発揮できることを見つけたの…

初心者でも枯れない多肉植物の種類

前回に引き続き初心者でも枯れない多肉植物の種類を考えていきます。 いきます!と宣言したものの、そもそもセダムが枯れる理由は????? と、3時間くらい探し回って マンネングサ系統のセダムで事実としていえること を3つくらいしか、探せませんでし…

初心者でも絶対に枯れない多肉植物の種類

と言いたいとこですが、 科学において絶対は絶対に保証できないので、 ささやかな釣りです(笑) ※写真自前のものですが本文とは関係ありません 特に生命科学の分野では「100%の確率でOOが起きる!」ということは口が裂けても言えません(笑) 「寄せ植え」…

多肉植物を科学的に長持ちさせる寄せ植え方法の考察⑥

botanist123.hatenablog.com 前回に引き続き、多肉植物を科学的に長持ちする寄せ植え方法を考えます。 寄せ植えにするのは セダム:虹の玉、玉つづり、ゴールデンカーペット ポーチュラカリア:雅楽の舞 の計4品種 今日は多肉寄せ植えを長持ちさせる正しい…

多肉植物の根腐れしない育て方

以前、根腐れの原因は根腐れを起こす菌が原因だと書きました。 botanist123.hatenablog.com 「それじゃあ、どうしたらいいの?」 という答えを書いていなかったので、考えてみました 結論としては なるべく無菌で、排水性の良さを両立した土を使えば根腐れは…

多肉植物を科学的に長持ちさせる寄せ植え方法の考察⑤

botanist123.hatenablog.com 前回に引き続き、多肉植物を科学的に長持ちする寄せ植え方法を考えます。 寄せ植えにするのは セダム:虹の玉、玉つづり、ゴールデンカーペット ポーチュラカリア:雅楽の舞 の計4品種 今日も多肉植物の寄せ植えにするためにど…

多肉植物を科学的に長持ちさせる寄せ植え方法の考察④

botanist123.hatenablog.com 前回に引き続き、多肉植物を科学的に長持ちする寄せ植え方法を考えます。 寄せ植えにするのは セダム:虹の玉、玉つづり、ゴールデンカーペット ポーチュラカリア:雅楽の舞 の計4品種 今日は多肉植物の寄せ植えにするためにど…

論文検索について

今日は少々脱線して、私が使ってる論文検索の方法をご紹介します。 といっても、 グーグルスカラー という、googleの論文専用検索エンジンを使ってるだけです。 現在は環境的にフリーの論文しかあたってないので、貴重な検索ソースです。 皆様も好きなキーワ…

多肉植物を科学的に長持ちさせる寄せ植え方法の考察③

botanist123.hatenablog.com 前回は↑こちら 今日は ポーチュラカリアの最適な土の深さを考えます 今回取り上げている 「雅楽の舞:Portulacaria afra f.variegata」 そのものの論文はなかったものの 雅楽の舞の原種である 銀杏木:Portulacaria afra で調べ…

多肉植物を科学的に長持ちさせる寄せ植え方法の考察②

引き続き、多肉植物を科学的に長持ちする寄せ植え方法を考えます。 寄せ植えにするのは セダム:虹の玉、玉つづり、ゴールデンカーペット ポーチュラカリア:雅楽の舞 の計4品種 前回はこちら↓ botanist123.hatenablog.com どの本や、ブログを見ても購入し…

多肉植物を科学的に長持ちさせる寄せ植え方法の考察①

「多肉植物」でググると 多肉植物 種類 多肉植物 寄せ植え 多肉植物 育て方 なんかが検索候補に出てくると思います。 多肉の寄せ植えは最近人気があるようですが、長いこと部屋においてたり、雨ざらししたりすると、徒長したり、根腐れしたり、まぁすると可…

多肉植物の根腐れ②

やはり、多肉植物の根腐れにも菌が関与していました。 どうやら、ある特定の菌が、特定の植物で繁殖するようです。 2016年、アメリカの大学が行った研究により、エケベリアに発症する菌が発見されています。 菌に関しては詳しくないのですが、「フハイカビ」…

多肉植物の根腐れ①

この時期、多肉植物だけではなく、さまざまな植物が根腐れになっているようです。 そういえば、根腐れについてなにも知らないなと思い、論文などを漁っていると 今日、1時間くらいググって、根腐れについて2つのことがわかりました。 1:水をあげすぎると…

多肉植物の科学的に正しい育て方②~徒長を防ぐ~

まず、「多肉植物 育て方」で検索してみました。 一番最初に出てきたサイトを閲覧しているとこのような表記を見つけました。 「光が不足すると、茎がひょろひょろと伸び、徒長の原因に。」 とありました。 ちなみに「徒長」を具体的に説明すると、葉っぱ生え…

多肉植物の科学的に正しい育て方①

この時期、雨が多くて「多肉が蒸れる!」なんて騒いでるブログをよく見るんですが、蒸れるってどういうこと? なんてこと言うと 「あんたの言ってることはさっぱりわからへん」 と、Myプロフェッサー(大学の時の担当教員)に言われそうです。 私も、蒸れる…

多肉植物の土は深さ2cmで十分。

と、言っても、セダムの話。 2005年にミシガン州立大学が行った研究によると セダム属の品種、7品種を気温21℃±1の温室で深さ2cmの土を用いて、週一回の水やりで育てても、成長が見込めることが明らかになりました。 さらに、深さ2cmで、二日に1回…

私が多肉植物を始めた理由

ブログ閲覧数を伸ばしたい思いで、連投し始め、今日で9日目。 そういえば、なんで多肉植物やってんだっけ? と、ふと思ったので、原点回帰してみることにします。。。。 ーーーーーーーー 時を遡ること、15年くらい前、自宅の玄関の入口あたりにあった、…

多肉植物を植物ホルモンで増やす

大学院時代は野菜と花の研究室に居ました。そこでお花の研究をしている人は植物ホルモンの濃度を変えて成長量の変化を研究結果として発表していました。 私の担当教員曰く、「古い手法」だそうです。 多肉植物でも同じ手法で成長を促す研究がされていました…

科学的に多肉植物を増やす

このブログを始める前からいろいろな多肉植物を材料にした研究論文を読んできましたが、今日ご紹介する論文は多肉植物全般の増やし方を中心にまとめた論文です。 韓国のSahmyook大学(三育大学)が多肉植物全般の増やし方と管理方法を学術的にまとめた内容で…

-27℃でも生きる多肉植物

1995年、アイオワ州立大学が行った実験によるとセダム属のオオベンケイソウの'Autumn Joy'という品種の多肉植物は-27℃の低温下でも生存可能であることが明らかにされました。 この実験のポイントは2つあり、 ①0℃から徐々に温度を下げることで耐寒性…

730日以上水なしで生きる!?

多肉植物ビギナーにも人気のある「虹の玉」 実は虹の玉は2年以上も水を与えなくても生き延びることが明らかになっています。 #虹の玉 #紅葉 #多肉植物 1985年のシカゴ大学の研究によると、2年間以上水を与えなくても、虹の玉は生き延びることが発見されてい…

多肉植物は真夜中でも光合成する③

C3やC4型の光合成は日中に葉の裏側についている、「気孔」という、閉じたり、開いたりできる穴からCO2を取り込み、不要になった酸素を放出します。光合成の過程でCO2をデンプンに変えるため水が必要になります。 C3やC4ってなに?という方は過去記事をご参照…

多肉植物は真夜中でも光合成する②

前回の冒頭でCAM型光合成のお話を少ししました。 「え?CAM型ってことは、他の型もあるの??」 と、おっしゃる方いると思います。 もちろんその通りで、大きくは3種類あり、 「C3型」「C4型」そして、多肉植物が行う「CAM型」の光合成があります。 簡単にい…

多肉植物は真夜中でも光合成する①

多肉植物の論文いくつか拾い読みすると、CAM 型光合成について書かれていることが多いことが分かりました。 なので、まずはCAM型光合成の旨味をお話ししたいと思います。 しかし、いきなり、「CAM型光合成」とは云々かんぬん言っても、 「えぇ?、しーえーえ…

初投稿

これから「多肉植物の科学」について論文紹介のブログを毎日更新します。 多肉植物の育て方を経験則に基づいて書かれている書籍はたくさんあります。 しかし、多肉植物を科学的な視点で書かれている書籍・ブログなどがないので、 やることにしました。 では、…